【番外編】そっと手放したペダルたち2021
こんにちは、maです。
今回は番外編。
特にMNGの報告もせずに手放したペダル含め、その理由を添えてつらつら書いてみます。
①Klon / KTR
②LanderのCultのやつ
③80tape/ In Limbo Ⅲ
④Digitech / XP300 Space Station
⑤hologram / microcosm
⑥UAD / UAFX Starlight Echo Station
⑦phantom fx / bells
①klon / KTR
今年突然高騰し始めましたよね。
手が出せない価格になる前にCentaurと比較したくて入手しました。
比べて分かったのは、CentaurとKTRは同じ種族だけど別物だということ。もちろんKTRにも良さはありますが、Centaurの代役を担うのは難しいと思います。KTRの方が線が細くて明るいトーンです。そしてトゥルンとした音がします。両方あったら結局Centaurを選んでしまうので、KTRは全く出番がありませんでした。
②LanderのCultのやつ
先に断っておくと、大変素晴らしいペダルです。ファズフェイス系の魅力を教えてくれましたし、曲作りでも大活躍しました。
それなのになぜ手放したかと言うと、サウンドがだんだん物足りなく感じるようになってしまったからです。やっぱり自分はNG-FuzzとかBig Cheeseみたいな個性強めのファズが好きなんだなあ、と実感しました。
そして加えて言うなら、転売屋の商材として目をつけられてるのを見て萎えてしまったから、というのもあります。同じ理由でVemuramのMyriad FuzzやTB-2Wも欲しいという気持ちが沸かなかったりします。
③80tape/ In Limbo Ⅲ
入手困難な多機能アナログペダル。
これを手放したのは、近々5が出るという情報が入ったからです。そのための資金作りのため、背水の陣で手放しました。
アナログディレイを欲している人は是非候補に入れてほしい。大変おすすめなペダルです。
④Digitech / XP300 Space Station
飛び道具として名高いレアペダル。こちらも年々高騰しているので、早いうちに試したくて買いました。
確かにこのペダルでしか出せない音で、今でも人気が衰えないのも納得です。
手放した理由は、アウトプットレベルの調整が難しかったからです。プリセットによって著しく音が大きくなります。またSynth以外のプリセットは他のペダルでも再現できそうなのと、そもそも強烈すぎて使い道がないというのもあります。
サウンドは唯一無二だけど使いこなすのが非常に困難なペダルだと思いました。
さらに、Cooper FxがXP300をモデリングしたArcades Cardを出してくれたので、このサウンド(特にSynth)のために手元に残しておく必要がなくなったのも大きな理由です。
⑤hologram / microcosm
各プリセットのパラメーターがほとんど固定されていて細かい音作りができない点が難点でした。非常に完成度の高いペダルですが、自分の出したい音にどうしても届かずに放出となりました。ちなみに今、グリッチ・グラニュラー系はFabrikat、tensor、steme[n]を組み合わせて出したい音がほとんど再現できています。
少し値が張りますが、グリッチグラニュラーの入門機としてとても良きだと思います。
⑥UAD / UAFX Starlight Echo Station
高品質なデジタルモデリングのディレイ。
deluxe memory manとの比較のために購入しました。
デジタルらしいクリアな音像で本家よりブライトな印象。全く同じ音は出ませんが、ニュアンスはかなり近いです。他に数種のディレイを使えること、プリセット機能がついていることも加味すれば、こちらの方がより実践向きで使いやすいかと思います。
惜しむらくはタップテンポがついていない点、そしてプリセットがひとつしか切り替えられない点です。音質に全振りした結果かなと思われます。
2022.10.20追記
コメントにてご指摘いただきウェブマニュアルを確認したところ、タップテンポ機能はついておりました。私の確認不足により、読んでいただいた方に誤解を与えてしまい本当にすみません。正確な情報をお伝えできるよう注意して記事を書いてまいります。よろしくお願いいたします。
ご指摘いただいた”通りすがりのギター好き”様、ありがとうございました。
⑦phantom fx / bells
BJFEのHBODインスパイア系ローゲインオーバードライブ。
2021年最もペダル界隈を騒がせた日本ブランドのひとつがphantom fxだったかなと思います。これまで使ったことがなかったので、ひとつ試してみるべく購入しました。
手放したのは単純に歪みの質感が好みでなかったからです。HBODが好きな人にはきっとハマると思います。
余談ですが、好きな歪みの基準って最初に触れたペダルが基になるんじゃないかなって思っていて、、、私はBOSSのOS-2=オーバードライブの歪みっていう感覚があります。
以上でございます。
なかなか手放した理由って公表する機会がないので、思い切って書いてみました。
私は「ペダルは好みかどうかのみ。良し悪しはない」というの持論です。
ですから手放したからといって、ペダルとしての評価が低いというわけではありません。それぞれ自分の出したい音、好きな音を追及すれば良いと思います。
私も2022年はより自分の好きを追及する一年にしていきたいです。
【レビュー】Lovetone / Big Cheese
あけましておめでとうございます。
Mads 改め ma でございます。
2022年からブログと音楽活動の名義を統一することにしました。今年も流行りに流されず、好きなものを好きなように紹介したいなあと思っています。
さて、新年一発目はLovetone / Big Cheeseを紹介します。
Lovetone(ラブトーン)はかつてイギリスに存在したペダルブランドです。
1995年から販売を開始して2001年に製造中止をアナウンス、数年後にいくつかのモデルのみ再生産したのですが2000年代後半には完全に製造・販売が終了しました。
"Big Cheese"はLovetone初期から作られていたファズペダルです。
ちなみにこのネーミングは、単に「大きなチーズ」という意味だけではありません。英語圏では「大物」とか「偉い人」みたいなニュアンスの慣用句としても使われている言葉です。
私がエフェクターに興味を持ち始めたころにはとっくに入手困難になっていて、日本の市場では年に1つ見かけるか見かけないか、ぐらいの珍品です。正確な販売価格は分からないのですが、当時のペダルマニアにはCentaurのKlonと並ぶ高価なエフェクターブランドとして知られていたみたいです。
近年ではJHSから"Cheese Ball"というインスパイアモデルが発売されるなど、今でもそのサウンドを再現しようと試みるブランドは多いです。(Cheese Ballはいつか入手して比較してみたいと思ってます
まず初めて手にしたときに驚いたのはその軽さです。恐ろしく軽いです。
そしてノブもスカスカと回ります。故障ではなくこれも元からのようです。ほんとにそんな高価なペダルなのか?と若干疑いたくなります。
筐体のデザインはLovetoneならではで、ネジ類を使わずに簡単に開いて基盤をみることができます。
コントロール類にはチーズにちなんだ名称がつけられています。
右上のノブ。こちらは4つのモードを選択するスイッチになっています。
・Off = トーンバイパス
・1 = ミッドスクープ
・2 = ミッドブースト
・3 = ゲートファズ
というように、ミッドの削れ具合3種+ゲートファズの中から選択できます。ベースのとなるサウンドはほとんど一緒です。
"Tone"はそのままトーンコントロール。中央がニュートラル、左回しでローパス、右回しではハイパスとなります。ビッグマフと同じタイプですね。非常に強烈にフィルターがかかります。
"Curds"はゲイン的な役割です。0でもしっかり歪み、回すと歪量が増えるというより、ファットな成分が増えていくイメージです。トーンベンダーのAttackに近い感覚です。
"Whey"はボリュームです。おおよそ12時~1時くらいがユニティです。ただ音量が上がるだけでなく、上げるほど歪み感も増すイメージです。このあたりもトーンベンダーに近いものを感じます。
さて肝心のサウンドです。
誤解されがちなのですが、Big Cheeseはビッグマフ系ではありません。
私も手に入れてからきちんと調べるまでビッグマフ系のファズだと勘違いしておりました。
回路的にはトーンベンダーやファズフェイスの親戚にあたるようです。それらの歪みを更に数段深くしてビッグマフと同じトーンコントロールを備えたファズ、という作り。
前述したとおり、私的にはトーンベンダーに近い感覚の歪みだなあという第一印象でした。低音弦を鳴らした時のみょんみょんと弾む感じ(伝わりますでしょうか?)はビッグマフにはない質感です。
全体的に明るめなサウンドで"Tone"と"Curds"の調整でカッティング的なフレーズから壁のような轟音まで幅広く使えます。
特筆すべきはゲートファズのモード。ゲートの効き具合は"Curds"で調整します。ギターの出力にもよりますが3時くらいまで回すとブチブチとしたサウンドに変化し始めます。このサウンドこそまさに”Big Cheeseのサウンド”と言って良いでしょう。
他のクローンやリスペクト系のペダルと違って"このペダルじゃないと出さない音"だなと思います。個性的なファズが好きな人にはたまらんやつだと断言できます。
【コラム】SUNNというアンプを知ってますか?
こんにちは、Madsです。
皆さんはSUNNというアンプメーカーをご存知でしょうか?
日本ではThee Michelle Gun ElephantやBorisが使用しており、ロゴだけでも目にしたことのある方もいると思います。
(余談ですがアベフトシさん、ほんとにSUNN使ってたのかな〜と思ってライブ映像漁ったけど見つからなかった、、『暴かれた世界』のMVにチラチラ映ってるのは「Model T」ですね。『ロデオ・タンダム・ビート・スペクター』は全てModel Tで録ったらしい)
また「Model T」はドゥームサウンドを愛する海外ギタリストから絶大な支持を得ており、多くのエフェクターブランドがその歪みを再現したペダルを出しています。EarthQuaker Devicesの「Acapluco Gold」やD-Soundの「Sunny」などが代表例です。
しかし、国内のネットでどれだけ調べてもSUNNがどんなブランドなのか情報を得ることは難しかったです。かなり謎に包まれています。
というか調べれば調べるほど「The Twin」ってFenderのアンプじゃないの?とか、SUNNってバンドの名前じゃない?とか、疑問だらけです。
そこで海外のサイトをいろいろ調べたところ、SUNNの歴史を詳しく紹介する記事を見つけました。
今回は、この記事を要約しつつ、その他に得られた情報を加えたコラムになります。
謎に包まれたSUNNの歴史を知っていただけたら幸いです。
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□Sunn社の設立
"Sunn社の歴史は1960年代のアメリカから始まります。THE KINGSMENというバンドのギターを担当していたNorm Sundholmと、兄のConradによって設立されました。
初めはConradが設計した真空管アンプを中心にガレージで製作を続けましたが、やがて注文が増えて手狭になると工場に移転。それを機にNormは所有株を全てConradに譲り、以降の経営を任せることに。するとConradの経営の元でSunn社は急成長を遂げ、The Who、Rolling Stones、The Jimi Hendrix Experrienceなどのさまざまなメジャーバンドがツアーで使うようになっていきました。
前述の「Model T」は当時こんな見た目でした。(公式な写真がないのでReverbの販売済商品から写真を拝借しました)
ノブとロゴが赤いバージョンも存在します。
□第一次買収
その成長ぶりに目をつけたHartzell Industries社がSunn社を買収します。(時期は不明)
その頃になると、Marshallがアンプ業界を席巻し始めており、Sunnはハイエンド真空管アンプの市場でシェアを維持できなくなっていました。そのためHartzell社の意向により利益率重視のトランジスタアンプの生産に方針転換します。この時、Conradが設計したSunn本来のサウンドは失われてしまいました。
1980年にHartzell社の社長が飛行機事故で急逝します。ギターアンプについて全く関心のなかった遺族たちは、採算のとれないSunnブランドを停止してしまいました。当時はプロ用アンプの分野でSunnはほとんど使われておらず、Sunnの存在感が薄れたことを惜しむ声はほとんどありませんでした。
1985年にFender Music Instruments Co.(以下、FMIC)がSunnブランドを買い取るまでの数年間は死んだような状態でした。
□第二次買収
FMICは、Fenderとは別ラインでSunnのブランドを復活させました。「Model T」などの真空管アンプを復刻しつつ、AmpegやMarshallに対抗すべくアンプとキャビネットをデザインし、ブランドを再起動させたのです。(「The Twin」はFenderとSunn両方から同名モデルとして販売されていたようです。また、日本では山野楽器が代理店となり100v仕様が販売されていました。)
華々しく復活するかに見えたSunnですが、残念ながら上手くいきませんでした。
FMICによって復刻された「Model T」がこちら。
見た目は変わりましたがConradの設計を踏襲しつつ、現代的なアレンジを加えたより実用的なアンプとして生まれ変わりました。
□生産終了
素晴らしい製品を出しながらなぜ失敗に終わったのか、その理由は定かではありません。
おそらくソリッドステート時代のSUNNアンプの負の印象を拭い去ることができなかったからでしょう。いずれにせよFMICとしてはFenderとSunn、二つのブランドを別々に販売するには満足する規模ではありませんでした。
Sunnのベースアンプの内、特に優れていた二つはFenderの「Bassman 300 Pro」「Bassman 1200 Pro」として引き継がれました。
そして優れた真空管ギターアンプだった「Model T」はひっそりと生産終了してしまいました。
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以上がSUNNのおおまかな歴史です。
原文ではさらに詳しくSUNNの歴史を辿ることができます。興味があったら是非読んでみてください。
今やSUNNブランドはFMICの公式HPも存在せず、どんなラインナップだったのか、各モデルがどんな仕様だったのかなどを知る術がありません。
そもそも、SUNNアンプがいつ頃まで作られ販売されていたのかすらわかりません。それくらいひっそりと市場から姿を消してしまいました。
さらに同名・同ロゴを使用しているバンドが現在も活動していることが、余計に情報を混乱させています。もちろんバンドの方が後発で、"かつて存在したアンプブランドに由来する"とWikipediaにあるのですが、Fender公認なのか?など謎な部分が多いです。
ちなみにバンド名はSunn O))) が正式名称です。記号を忘れないように注意しましょう。
(またまた余談ですが、EQDの「Life Pedal」はこのバンドとコラボしたモデル。「Model T」をブーストするための最適な組み合わせとしてオクターブファズ、white face rat、クリーンブーストを一つの筐体に収めたペダルです。)
日本ではほとんど知名度がないため、中古相場はけっこう低め。
今でもヤフオクやデジマートで定期的に出品されており、モデルを選ばなければ比較的簡単に入手できたりします。
ただし「Model T」だけは高騰傾向にありオリジナル、リイシューともに滅多に市場に出てきません。
非常にマニアックで試す機会の少ないSUNNのアンプですが、興味深い歴史と実績のあるブランドなのは間違いありません。
今後再評価される日が来るかもしれませんね。
【番外編】エフェクター使用事例紹介/新曲「生活はつづく」
ごぶさたしております。
約4か月ぶりの更新です。
実はこの間にも多数MNGしていたのですが、筆不精ですっかり披露する機会を失ってしまいました。
そこで今回は、MNG紹介を兼ねて先日投稿した新曲「生活はつづく」で使用した機材とサウンドメイク解説をしてみたいと思います。
なかなか使いどころが難しいエフェクターの使用事例として参考にしていただければ幸いです。
こちらが使用した機材です。
<ギター>
Fender / 1963 Jazzmaster
実はこっそり買っていました。フレット、ナット以外はオリジナルです。
ブリッジをマスタリーブリッジに交換しています。
<エフェクター>※接続順
①Electronic Audio Experiments / Halberd
②Pete Cornish / NG-Fuzz
③Drolo / Steme[n] V4
④Red Panda / Tensor
⑤Pladask Elektrisk / Fabrikat V1
⑥Electro-Harmonix / Deluxe Memory Man (90’s reissue)
<アンプ>
⑧Two Rock / Studio pro 35 combo →OXに繋いでいます。
全て直列で繋いでいます。
特に③~⑤は実際どうやって曲作りに活かせばいいのか、なかなか悩ましい機材ではないかと。。。
これらを使って出来上がった曲がこちらです。
シューゲイザーを作ってみました。
さて、では各エフェクターをどう使っているかを解説してまいります。
①Electronic Audio Experiments / Halberd
90年代のポストロックやニールヤングのギターサウンドを意識して作られた歪みペダルです。ツイードアンプを歪ませたっぽい音です。
イントロ(0:03〜)の8分で刻んでいるバッキングで使っています。
ここだけはグライドギターでグワングワンと揺れながら淡々とコードを刻む音を目立たせたかったので使いました。
埋もれない音になればどのエフェクターでも良かったのですが、手持ちの中で一番NG-Fuzzに馴染む音だったので選びました。
②Pete Cornish / NG-Fuzz
現行のNG-3の基になったモデル。
真空管アンプが壊れる寸前の音を再現できます。
全編としてずっと左右から鳴っています。
とにかく個性的なサウンドでこの音が出せるペダルは他には無いんじゃないかと。September Soundのthe 47がかなり近い音を出せます。
全てメモリーマンをかけっぱなし、かつグライドギターでピッチを揺らしまくっているため、ストロークはほとんど聞こえないです。轟音で後ろを埋めるための存在です。
また、サビ(1:47〜)ではメモリーマンを掛けずにセンターからもう一本足しています。ここが一番NG-Fuzzっぽいサウンドが聴けます。
③Drolo / Steme[n] V4
ショートルーパー系ペダル。
録音したループを8つのモードで再生できます。
Bメロ(1:27〜)ではTime Stretchで最大まで引き延ばした逆再生フレーズを薄く流しています。ほとんど聴こえないですね、、汗
またBメロ(1:05〜)やサビ(1:47〜)ではSwell Reverbを使用しました。轟音を包み込みようにふわ~っと鳴っている音がそうです。パッド的なイメージで音作りしました。
④Red Panda / Tensor
こちらもショートループ系ペダル。
特にタイムやピッチを可変させる機能が充実していて様々なサウンドを作れます。
Aメロ(0:45〜)の後ろで流れている逆再生フレーズで使いました。Tensorは逆再生のループフレーズを簡単に作れるので重宝してます。
⑤Pladask Elektrisk / Fabrikat V1
グラニュラー系ペダル。
入力された音を細切れにして、それらを並べ替えたり再生方向やピッチを変えたりして出力することができます。
Bank1-8を使用しました。
イントロ(0:03)のE-bowを使ったリードギターでは、NG-Fuzzの後段にかけてスタッター的な効果を作り出してます。
ラストパートは4:23くらいからアルペジオにかけて、だんだん音が崩れていくような効果を足してます。
⑥Electro-Harmonix / Deluxe Memory Man (90’s reissue)
アナログディレイ。
90年代に作られた再生産版です。バッファードバイパスなので繋ぐと音が変わります。
ほとんど全てのギターにかけてます。
メモリーマンの初めて使ったのですが、艶やかで溶けるように広がってく音がめちゃくちゃ気持ちいい。
リバーブはプラグインでかけてるのですが、メモリーマンがなかったらこの奥行き感は作れなかったと思います。
ラスト(4:23〜)は弾きながら足でフィードバックを操作して発進寸前まで少しずつ上げてます。
以上、使用機材の解説でした。
今後も持ってるエフェクターを駆使して曲作りしていきたいなあ、と思ってます。
【レビュー】EUNA / 29 Pedals
お久しぶりです、Madsです。
ここ1ヶ月は楽曲制作に打ち込んでいてすっかり更新が滞っておりました。
とはいえその間にもたくさんMNGをしておりまして、紹介したいペダルが増えていくばかりです。
というわけで、手始めに29 PedalsのEUNAをレビューします。
今回は先に結論を述べます。
EUNAをおすすめしたいのは、
・クリーンサウンドを積極的に作り込みたい方
・自分の持っているギターのサウンドに不満がある方
・DTMを一本のギターでこなしているけど、もう少しサウンドバリエーションが欲しい方
です。
◾️29 pedalsとは
アメリカのカリフォルニアに居を構えるBelievable Audioというメーカーが持っているブランドが29 Pedalsです。(RolandのBossと同じイメージですね)
EUNAが初めて同社からリリースされたペダルですが、口コミで話題になり今や代理店がついて日本にも輸入されるほどの人気になりました。
次作"OAMP"が6月リリース予定なので、そちらもとても楽しみです。
◾️EUNAについて
読み方は"ユーナ"。
ユーロ(EURO)を想像してもらえたら分かるはず。Elite UNity Amplifierを略して"EUNA"と呼称しているそうです。
EUNAは三種のEQ、FX loopを搭載したアクティブバッファです。
オフの時にはトゥルーバイパス、またはFX loopが有効になります。
オンにするとFX loopが無効になりバッファとEQが有効になります。
◾️サウンドについて
ここからが本題です。
まずバッファはアクティブだけあって、わりと味付けの強いサウンドです。
ローエンドがタイトになり、やや固めのサウンドに変化します。コンプ感はないのに、各弦の音量が揃ったような均一感が加わります。
さらに3つのトグルスイッチをオンにすることで、各帯域を強調することができます。
先ほどから敢えて"EQ"と記載しているのは、このスイッチの効き方を鑑みてのことです。
割とはっきりとした変化をもたらします。
ギターそのものもの音色を変化させるようなイメージ。「シングルピックアップで、もう少しリアに低音が欲しい」「フロントピックアップにもっと抜けを足したい」みたいなニーズにはとても合ってると思います。
つまり、ギターの音色を積極的に補正する目的になるのですが、帯域やブースト加減は最初から定められています。このチューニングは29 Pedalsのセンスが存分に発揮されていて絶妙です。どのギターでも一定の効果が得られるのではないかと思います。
このチューニングを良しと出来るかどうかで、このペダルが合うか合わないかが決まってくるでしょう。
人によっては"イコライザーでいいじゃないか"と思うかもしれません(私がそうでした
ギターそのものの音を大事にしたい、という方にはあまりお勧めできないペダルです。
逆にたくさんペダルを繋いだり、積極的にクリーンの音を作り込みたい人にとっては非常に強力な味方になるでしょう。
ボードの最前段で音色を補正するバッファペダル、というのは日本で流通してるペダルでは、似ているものがほぼありません。強いて言うならOvaltoneのPrime Gearでしょうか。
クリーンブースターとは一味違ったペダルです。気になる方は是非試してみてください。
加筆・修正版【緊急レビュー】Generation Loss V2 vs CBA サウンド比較
4/21加筆・修正
別の環境で再度じっくり比較したところ、最初とだいぶ印象が異なってきました。
一部については真逆の印象になっているところもあります。
ですので、今の感覚で記事を加筆・修正させていただきます。
(一度ご覧いただいた方には申し訳ありません)
※加筆部は赤字、修正部は線で消しています。
こんにちは、Madsです。
緊急更新です。
先日発売されたCooper fx / Generation Loss V2を入手できましたので、
手元にあるChase Bliss Audio版Gen Lossとのサウンド比較をしてみました。
今回の内容では
”V2とCBA版のサウンドの違い”に焦点を当てていきます。
動画はそのうちTwitterにでも投稿することとして、
まずはインプレッションをつらつら書いていきたいと思います。
※仕様や機能の違いについてはこちらを参照ください
先に結論から述べますが、
どちらも基本的なサウンドはほぼ同じです。
V2になって特段性能が向上したという印象はなく、いくつかの機能追加とサウンドチューニングが施された、という捉え方でいいかなと思います。
ポイントは次の3つです
・サウンドが大きく異なるノブはFlutter、Gen、Noise(HISS)の3つ
・CBA版はより変化が大きく派手なサウンド。FlutterやGenの効果については実際の世代劣化のノイズ感に近いように感じる。全体的に変化のランダム性がやや乏しい。
・V2はマイルドな効果。より揺れ幅や頻度のランダム性が高く、テープ劣化による自然な揺れを再現できている。が、ノイジーなサウンド作りをするためにはNoiseを回すしかないところが惜しい。モジュレーション系のギターエフェクトとして扱いやすいサウンド+左スイッチの追加エフェクト
■筐体と作りについて
CBA版の方が深いブルー、V2は水色に近い。見た目はV2の方が好きです。
実際触って思ったのは、V2の作りはかなりハンドメイド感があります。
小さいノブは基盤についているものを筐体の穴から出しているだけで固定されていません。背面のDCジャックやMIDIジャックも同様。かなりガタつくので、ライブなんかで誤って踏んでしまったら即壊れるんじゃないか?と若干心配になる作りです。
堅牢さ、高級感という観点では圧倒的にCBAが勝っていると思います。
■サウンドについて
まずニュートラル位置(オンにしてもエフェクトがかからず、原音が出力されるセッティング)から始めます。
V2の方がWETの出力が大きいですね。
音質はほとんど変化を感じません。特に優劣はないかと思います。
次に各ノブの回したときのエフェクトのかかり具合、サウンドの違いを確認します。
<Wow>
12時以降まではほぼ同じ。回し切ったときの変化の幅はV2の方がやや大きいかなという印象。総じてほとんど同じと言ってもよい。
V2は変化の幅、ピッチの変化ともにランダム性が高い。回し切ると次にどんな変化をするか予測できないほど。対してCBAは回し切りでも過度なピッチ変化はなく、割と大人しめなモジュレーション。
<Flutter>
大きく異なる点の一つです。
V2はWowの延長のようなイメージで、より急激でランダマイズされたピッチモジュレーション。しかしよく聞くと一定の周期で変化しているようです。Wowと組み合わせて使うことでより効果を発揮するノブ。
対してCBAは細かくざらついたグリッチに近いモジュレーションサウンドに変化します。ピッチの変化幅はそれほど大きくありません。細かくざらざらと揺れる、という感じ。
<Gen>
こちらも効果の質と幅に違いがあります
V2はリングモジュレーターのようなサウンド。フルにしても音程感は損なわれず、まろやかな効き具合です。
CBA版はビットクラッシャーに近いサウンド。2/3を過ぎたあたりから音程感がどんどんなくなっていきます。だいたい半分くらい回したところが、V2のフルと似たサウンドになります。
<HP・LP>
効き具合はほとんど同じです。
よく聞くと帯域の違いを微妙に感じるような気もします。
<Noise/Hiss>
V2 (Noise)は中央がノイズなし、左に回すとホワイトノイズ、右に回すとNoise Modという独特の歪みが付加されます。
ホワイトノイズは入力のあるなしに関わず常に出続けます。
Noise Modは入力に反応して出力されます。アナログオクターブファズみたいなサウンドです。
CBA版(Hiss)は上記のNoise Modに近い歪みを付加します。3段階のうちHeavyにしてもV2ほど大きく変化しません。(V2で右に1/3くらい回すと近いサウンドになります。)
前述のFluterとサウンドの傾向が近いので使い分けが難しいところ(CBA版で一番もったいないところかな、と思います)
■まとめ(所感)
最後なので全部書き直します。
2機種を比べた総評としては、
・V2はより自然でランダム性の高いテープの揺れ感を再現できる。
・CBAはV2に比べてランダム性はやや乏しいが、テープ劣化によるノイジーなサウンド表現はV2よりも多彩。
という感じ。
V2の設計思想があるとすれば”より自然なランダムネス”なのかなと感じました。
優等生、と最初に評しましたが誤りだったなと思います。(すみません…)
冒頭書いたように、より世代劣化に近い効果を求めるならCBA、エフェクターとしての扱いやすさを求めるならV2という感じでしょうか。
より過激な変態サウンドを出せるのは間違いなくCBAです。対してV2は優等生という印象。
”サウンドの質”という部分では<Flutter>と<Gen>の効果の違いがポイントになりそうです。どちらが好ましいかによって、評価が分かれるように思います。
V2の方が後発ですから、より開発者が求めるサウンドに近いことは間違いありません。敢えてここまでの変化を付けてきたというのは、何らかの意図があるのかもしれませんね。
【レビュー】Generation Loss / Chase Bliss Audio × Cooper Fx
こんにちは、Madsです。
先日、機材に酒をぶちまけてしまって本当に焦りました。
スイッチやノブの隙間に液体が入ってしまった場合、エアダスターで吹き飛ばすのがおすすめ。ティッシュや綿棒で拭き取るより確実です。
アクシデントはつきものですから、しっかり対処法を身に着けておきたいですね。
今回は先日ついにV2がリリースされたGeneration Lossをレビューします。
・Generation Lossとはどんなペダルなのか?
・CBA版とV2の違い
これらを掘り下げます。
サウンドについてはあまり触れていません。
■Generation Lossとは?
VHS(ビデオテープ)を複製するとデータが劣化します。複製を繰り返して世代を重ねる度にクオリティが損なわれていきます。これを「世代劣化=ジェネレーションロス」と呼びます。
Generation Lossはこの世代劣化を再現できるペダルです。
実はこのペダル、4種類の派生があります。
①Cooper Fx V1
②Chase Bliss Audio × Cooper Fx Limited
③Cooper Fx / Arcades Generation Loss card
④Cooper Fx V2
大元はCooper Fxから発売された"Genration Loss(以下Gen Loss)"というペダルです。これが①です。
これまでに無かった独創的なコンセプトで非常に評価が高く、当時から入手困難が続いていました。その後しばらくして廃盤になってしまい中古価格がどんどん高騰する事態に。
その後、突如Chase Bliss Audioから発表されたのが、CBAの筐体フォーマットに納めつつ機能を拡張したGen Loss(②)です。
2019年にひっそりと1000台のみ発売され即完売。しかも再販の予定なし。今や高騰しまくって冗談のような価格になっています。
さらにGen Lossの人気を受けて、Cooper FxのARCADES用のカートリッジ(③)も発売されました。(現在も販売中)
ずっと再販を待望されていたGen Lossですが、ついに先日V2がリリースされました。
おそらく今後しばらくは市場は枯渇状態になると思います。欲しい人は見かけたら即買うことをお勧めします。
私が今回レビューするのは②のCBA版です。
他のGen Lossは触ったことがないので、サウンドの比較はできない点をご容赦ください。
◼️概要
Gen Lossは音を劣化させるエフェクターです。
劣化要素を各パラメータで調整することができます。( )内は似ているエフェクト名です。
Fluter:テープの音飛び(ピッチモジュレーション)
Wow:テープの寄れ(ランダムビブラート)
HP:低音劣化(ハイパスフィルター)
LP:高音劣化(ローパスフィルター)
Gen:解像度(ビットクラッシャー)
Hiss:ホワイトノイズ+歪み
これらを組み合わせて世代劣化を再現します。
また、原音を加えることでコーラスのようなサウンドを作り出すこともできます。そのためのDryはトグルスイッチ式で、None/Small/Unityの三段階切り替えになっています。この設定は内部のトリマーで細かく調整可能です。
AUX(左フットスイッチ)は、あらかじめ設定したパラメータを変化させます。設定できるのはMod、Gen、Fliterのいずれかです。
Mod:WowとFluterを最大化
Gen:Genを最小化
Filter:HPおよびLPを最小化
◼️V2との違い
V1に感銘を受けたCBAが『ここがこうだったらいいなあ』を盛り込んで作ったのがCBA版でした。V2はCBA版を買えなかった人のために、CBA版の機能を盛り込んでさらに発展した内容になっています。(各ブランドのインスタの記事やマニュアルを読んだ限りの所感です)
CBA版で追加された大きな要素はWet、そしてAUXスイッチでした。これらは全てV2でも踏襲されています。
最大の違いはAUXの機能です。
CBA版は『パラメータの変更』でしたが、V2はテープストップ、フリーズなどの『追加エフェクトを割り当てる』ことができます。
さらに表現の幅が広がったのではないかと思います。
細かいところで言うと、V2はDryが簡単に調整できる点、Noiseが細かく調整できる点などもCBA版と比べて進化していると言えます。
さらにV2ではMIDIプリセットにも対応しました。
私としては、V2はCBA版と同等かそれ以上のペダルになっていると感じます。
唯一、CBA版にしか無いのはRamp機能です。
背面のDipスイッチの組み合わせでサウンドをさまざまに変化させるとても面白い機能です。これはV2ではおそらく再現できないです。
◼️まとめ
高騰し続けているCBA版Gen Lossですが、V2の登場により、わざわざ買う理由はなくなったと言って良いでしょう。
とはいえ、機能面はほぼV2と同等なのでわざわざ買い替える必要もないと思います。
ひとつだけ両者に対する希望を述べておくと、
ステレオIN/OUTに対応して欲しい。
単なるギターエフェクトとしての使い方だけでなく、出来上がった曲(または既存曲)を世代劣化させて楽しみたい…
V3では絶対にステレオ対応してください!
いつかV2が手に入ったらサウンド面の比較もぜひしてみたいですね。