ma機材レビュー

忘備録を兼ねて実際に使った機材をレビューします

【レビュー】Generation Loss / Chase Bliss Audio × Cooper Fx

f:id:mads_2n5133:20210408160131j:image

こんにちは、Madsです。

先日、機材に酒をぶちまけてしまって本当に焦りました。

スイッチやノブの隙間に液体が入ってしまった場合、エアダスターで吹き飛ばすのがおすすめ。ティッシュや綿棒で拭き取るより確実です。

アクシデントはつきものですから、しっかり対処法を身に着けておきたいですね。

 

今回は先日ついにV2がリリースされたGeneration Lossをレビューします。

 

・Generation Lossとはどんなペダルなのか?

・CBA版とV2の違い

 

これらを掘り下げます。

サウンドについてはあまり触れていません。

 

■Generation Lossとは?

VHS(ビデオテープ)を複製するとデータが劣化します。複製を繰り返して世代を重ねる度にクオリティが損なわれていきます。これを「世代劣化=ジェネレーションロス」と呼びます。

Generation Lossはこの世代劣化を再現できるペダルです。

 

 

実はこのペダル、4種類の派生があります。

①Cooper Fx  V1

②Chase Bliss Audio × Cooper Fx Limited

③Cooper Fx / Arcades Generation Loss card

④Cooper Fx V2

 

大元はCooper Fxから発売された"Genration Loss(以下Gen Loss)"というペダルです。これが①です。

これまでに無かった独創的なコンセプトで非常に評価が高く、当時から入手困難が続いていました。その後しばらくして廃盤になってしまい中古価格がどんどん高騰する事態に。

 

その後、突如Chase Bliss Audioから発表されたのが、CBAの筐体フォーマットに納めつつ機能を拡張したGen Loss(②)です。

2019年にひっそりと1000台のみ発売され即完売。しかも再販の予定なし。今や高騰しまくって冗談のような価格になっています。

f:id:mads_2n5133:20210408160148j:image

さらにGen Lossの人気を受けて、Cooper FxのARCADES用のカートリッジ(③)も発売されました。(現在も販売中)

 

ずっと再販を待望されていたGen Lossですが、ついに先日V2がリリースされました。

おそらく今後しばらくは市場は枯渇状態になると思います。欲しい人は見かけたら即買うことをお勧めします。

 

私が今回レビューするのは②のCBA版です。

他のGen Lossは触ったことがないので、サウンドの比較はできない点をご容赦ください。

 

◼️概要

Gen Lossは音を劣化させるエフェクターです。

劣化要素を各パラメータで調整することができます。( )内は似ているエフェクト名です。

f:id:mads_2n5133:20210408160242j:image

Fluter:テープの音飛び(ピッチモジュレーション)

Wow:テープの寄れ(ランダムビブラート)

HP:低音劣化(ハイパスフィルター)

LP:高音劣化(ローパスフィルター)

Gen:解像度(ビットクラッシャー)

Hiss:ホワイトノイズ+歪み

 

これらを組み合わせて世代劣化を再現します。

 

また、原音を加えることでコーラスのようなサウンドを作り出すこともできます。そのためのDryはトグルスイッチ式で、None/Small/Unityの三段階切り替えになっています。この設定は内部のトリマーで細かく調整可能です。

 

AUX(左フットスイッチ)は、あらかじめ設定したパラメータを変化させます。設定できるのはMod、Gen、Fliterのいずれかです。

Mod:WowとFluterを最大化

Gen:Genを最小化

Filter:HPおよびLPを最小化

 

◼️V2との違い

V1に感銘を受けたCBAが『ここがこうだったらいいなあ』を盛り込んで作ったのがCBA版でした。V2はCBA版を買えなかった人のために、CBA版の機能を盛り込んでさらに発展した内容になっています。(各ブランドのインスタの記事やマニュアルを読んだ限りの所感です)

 

CBA版で追加された大きな要素はWet、そしてAUXスイッチでした。これらは全てV2でも踏襲されています。

最大の違いはAUXの機能です。

CBA版は『パラメータの変更』でしたが、V2はテープストップ、フリーズなどの『追加エフェクトを割り当てる』ことができます。

さらに表現の幅が広がったのではないかと思います。

 

細かいところで言うと、V2はDryが簡単に調整できる点、Noiseが細かく調整できる点などもCBA版と比べて進化していると言えます。

 

さらにV2ではMIDIプリセットにも対応しました。

私としては、V2はCBA版と同等かそれ以上のペダルになっていると感じます。

 

唯一、CBA版にしか無いのはRamp機能です。

背面のDipスイッチの組み合わせでサウンドをさまざまに変化させるとても面白い機能です。これはV2ではおそらく再現できないです。

 

f:id:mads_2n5133:20210408160204j:image

◼️まとめ

高騰し続けているCBA版Gen Lossですが、V2の登場により、わざわざ買う理由はなくなったと言って良いでしょう。

とはいえ、機能面はほぼV2と同等なのでわざわざ買い替える必要もないと思います。

 

ひとつだけ両者に対する希望を述べておくと、

ステレオIN/OUTに対応して欲しい。

単なるギターエフェクトとしての使い方だけでなく、出来上がった曲(または既存曲)を世代劣化させて楽しみたい…

V3では絶対にステレオ対応してください!

 

いつかV2が手に入ったらサウンド面の比較もぜひしてみたいですね。