4/21加筆・修正
別の環境で再度じっくり比較したところ、最初とだいぶ印象が異なってきました。
一部については真逆の印象になっているところもあります。
ですので、今の感覚で記事を加筆・修正させていただきます。
(一度ご覧いただいた方には申し訳ありません)
※加筆部は赤字、修正部は線で消しています。
こんにちは、Madsです。
緊急更新です。
先日発売されたCooper fx / Generation Loss V2を入手できましたので、
手元にあるChase Bliss Audio版Gen Lossとのサウンド比較をしてみました。
今回の内容では
”V2とCBA版のサウンドの違い”に焦点を当てていきます。
動画はそのうちTwitterにでも投稿することとして、
まずはインプレッションをつらつら書いていきたいと思います。
※仕様や機能の違いについてはこちらを参照ください
先に結論から述べますが、
どちらも基本的なサウンドはほぼ同じです。
V2になって特段性能が向上したという印象はなく、いくつかの機能追加とサウンドチューニングが施された、という捉え方でいいかなと思います。
ポイントは次の3つです
・サウンドが大きく異なるノブはFlutter、Gen、Noise(HISS)の3つ
・CBA版はより変化が大きく派手なサウンド。FlutterやGenの効果については実際の世代劣化のノイズ感に近いように感じる。全体的に変化のランダム性がやや乏しい。
・V2はマイルドな効果。より揺れ幅や頻度のランダム性が高く、テープ劣化による自然な揺れを再現できている。が、ノイジーなサウンド作りをするためにはNoiseを回すしかないところが惜しい。モジュレーション系のギターエフェクトとして扱いやすいサウンド+左スイッチの追加エフェクト
■筐体と作りについて
CBA版の方が深いブルー、V2は水色に近い。見た目はV2の方が好きです。
実際触って思ったのは、V2の作りはかなりハンドメイド感があります。
小さいノブは基盤についているものを筐体の穴から出しているだけで固定されていません。背面のDCジャックやMIDIジャックも同様。かなりガタつくので、ライブなんかで誤って踏んでしまったら即壊れるんじゃないか?と若干心配になる作りです。
堅牢さ、高級感という観点では圧倒的にCBAが勝っていると思います。
■サウンドについて
まずニュートラル位置(オンにしてもエフェクトがかからず、原音が出力されるセッティング)から始めます。
V2の方がWETの出力が大きいですね。
音質はほとんど変化を感じません。特に優劣はないかと思います。
次に各ノブの回したときのエフェクトのかかり具合、サウンドの違いを確認します。
<Wow>
12時以降まではほぼ同じ。回し切ったときの変化の幅はV2の方がやや大きいかなという印象。総じてほとんど同じと言ってもよい。
V2は変化の幅、ピッチの変化ともにランダム性が高い。回し切ると次にどんな変化をするか予測できないほど。対してCBAは回し切りでも過度なピッチ変化はなく、割と大人しめなモジュレーション。
<Flutter>
大きく異なる点の一つです。
V2はWowの延長のようなイメージで、より急激でランダマイズされたピッチモジュレーション。しかしよく聞くと一定の周期で変化しているようです。Wowと組み合わせて使うことでより効果を発揮するノブ。
対してCBAは細かくざらついたグリッチに近いモジュレーションサウンドに変化します。ピッチの変化幅はそれほど大きくありません。細かくざらざらと揺れる、という感じ。
<Gen>
こちらも効果の質と幅に違いがあります
V2はリングモジュレーターのようなサウンド。フルにしても音程感は損なわれず、まろやかな効き具合です。
CBA版はビットクラッシャーに近いサウンド。2/3を過ぎたあたりから音程感がどんどんなくなっていきます。だいたい半分くらい回したところが、V2のフルと似たサウンドになります。
<HP・LP>
効き具合はほとんど同じです。
よく聞くと帯域の違いを微妙に感じるような気もします。
<Noise/Hiss>
V2 (Noise)は中央がノイズなし、左に回すとホワイトノイズ、右に回すとNoise Modという独特の歪みが付加されます。
ホワイトノイズは入力のあるなしに関わず常に出続けます。
Noise Modは入力に反応して出力されます。アナログオクターブファズみたいなサウンドです。
CBA版(Hiss)は上記のNoise Modに近い歪みを付加します。3段階のうちHeavyにしてもV2ほど大きく変化しません。(V2で右に1/3くらい回すと近いサウンドになります。)
前述のFluterとサウンドの傾向が近いので使い分けが難しいところ(CBA版で一番もったいないところかな、と思います)
■まとめ(所感)
最後なので全部書き直します。
2機種を比べた総評としては、
・V2はより自然でランダム性の高いテープの揺れ感を再現できる。
・CBAはV2に比べてランダム性はやや乏しいが、テープ劣化によるノイジーなサウンド表現はV2よりも多彩。
という感じ。
V2の設計思想があるとすれば”より自然なランダムネス”なのかなと感じました。
優等生、と最初に評しましたが誤りだったなと思います。(すみません…)
冒頭書いたように、より世代劣化に近い効果を求めるならCBA、エフェクターとしての扱いやすさを求めるならV2という感じでしょうか。
より過激な変態サウンドを出せるのは間違いなくCBAです。対してV2は優等生という印象。
”サウンドの質”という部分では<Flutter>と<Gen>の効果の違いがポイントになりそうです。どちらが好ましいかによって、評価が分かれるように思います。
V2の方が後発ですから、より開発者が求めるサウンドに近いことは間違いありません。敢えてここまでの変化を付けてきたというのは、何らかの意図があるのかもしれませんね。