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忘備録を兼ねて実際に使った機材をレビューします

【レビュー】Moog / Moogerfooger MF-104M Analog Delay

こんにちは、Madsです

今回はMoog社のMF-104M Analog Delayをレビューします

 

元々アナログシンセを作っていたMoog社が、フロア用のエフェクトペダルシリーズとして製品化したのがMF104Mを含めた”Moogerfooger”シリーズ

ギタリストの皆さんなら、レッチリのジョンフルシアンテが足元に並べているのを目にしたことがあるのではないでしょうか?その影響もあってか、高額ながら非常に人気を博したシリーズでした

しかし、使われている部品が入手困難になり2018年までに全てのモデルが生産完了になってしまいました。そのため、ここ数年で中古価格がどんどん高騰しています

特にMF-104Mは元値が7万ほどにも関わらず国内では15万前後、海外だと20万以上で取引されているようです。Klon Centaur級の高騰ぶり。。。ちなみに私が買ったときは10万くらいでした

 

こんな背景があるが故に「MF-104は凄いペダルだ!」というバイアスがかかりがちなのですが、なるべくフラットな目線でレビューをしてみます

 

MF-104Mの特徴はこんな感じ

①バッファが超秀逸!

②群を抜いて太く存在感のあるサウンド

MIDIで全てのパラメータを操作可能!

④強力なモジュレーション!

 

 

①バッファが超秀逸!

MF-104Mを含む全てのMoogerfoogerはバッファバイパスになっています

このバッファを通した音がとても良いのです。音の角が取れてまろやかになるのだけど、通す前より前に出てくるように感じる。絶妙なアナログ感を付加してくれます

このバッファのためだけでも繋ぐ価値があります

 

 

②群を抜いて太く存在感のあるサウンド

アナログディレイを形容する時「太い」「温かみがある」「ノスタルジック」というような言葉がよく使われますよね。まさにMF-104Mはそのとおりの音がします。非常に厚く存在感のあるディレイです

音色は”LONG(暗め)”と”SHORT(明るめ)”の二種類。”DRIVE”で歪み感を付加することができ、音の”太さ””飽和感”を調整できます。

 

まず使ってみて驚くのは、音が演奏に全く埋もれないという点

LONG(暗め)の音色でもディレイの返しがはっきりと聞こえます。それくらい重厚感のあるサウンドです。フィードバックを大きめにすると、いつまでも鳴りやまなずに音が徐々に溶けていくような感覚を覚えます。デジタルディレイに慣れていると、この感覚はとても新鮮だと思います

 

 

③強力なモジュレーション!

右側の”LFO”セクションでモジュレーションをコントロールします

ディレイ音に揺らぎを付加する機能は珍しものではありませんが、Moogerfoogerのモジュレーションは変化の幅がとても大きいのが特徴です。"AMOUNT"で設定できるピッチの揺れ幅はなんと2オクターブ以上。設定次第では、とてもディレイとは呼べない変態的なサウンドが飛び出します

 

MIDIで全てのパラメータを操作可能!

Moogerfoogerシリーズの内、いくつかはMIDIに対応しています。品番の最後に”M"がついているモデルがそうです。今でこそMIDI対応のアナログディレイは珍しくなくなりましたが、このMF-104Mは先駆的な存在と言えます

MIDIで操作できるのは、ノブやスイッチ操作できる全てのパラメータ。加えてMIDIのみで変更できる裏メニューもあります

 

ひとつ注意が必要なのは、対応しているのがCC(コントロールチェンジ)のみという点。つまりプリセット機能がありません。非常に惜しい部分です

CCを複数同時送信できるMIDIコントローラがあれば疑似的にプリセットを作れます

個人的オススメはMorningstar FXのMCシリーズ。CCを16まで同時送信できます。MIDIコントローラは国内外探し回りましたが、他ブランドより頭一つ抜けてると思います

 

 

以上が、MF-104Mの特徴です。

他にもタップテンポやCVコントロールに対応していたり、筐体がビッグマフよりデカい、という特徴もありますがそれはまた別のお話…笑

 

■まとめ

MF104Mはその希少性、価格高騰も相まって過剰に評価されてしまうペダルのひとつです。

実際はその評価に負けず、他の追随を許さないサウンドを持つ孤高のアナログディレイと言っても差し支えないと思います。(それでも現在の価格は高すぎますが…)

特に”デジタルディレイとアナログディレイは別物”ということを、ここまではっきり教えてくれるペダルは他にないと思います

 

しかし、だからと言って「アナログディレイはMF-104Mが最強なのか?」と問われたら、私は”「いいえ」と答えます

例えば、この重厚なサウンドはともすれば”くどい”と感じることもあり、他のディレイの方がバンド馴染みが良かったりします。存在感の強さゆえに使える曲、バンド、ジャンルが限られるサウンドです。私自身、まだこのペダルを持て余しているというのが本音です

 

以上、Moogerfooger MF-104M Analog Delayのレビューでした