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【レビュー】Drolo fx / Stretch Weaver

ソース画像を表示■Drolo fxについて
Drolo fxはベルギーのエフェクターブランド。
読み方は"どろろ"。主催者の名前がDavid Roloさんなので、略してDroloらしいです。手○治虫の漫画を思い出します。
日本ではあまり知られていないみたいですが、Chase Bliss Audio"MOOD"の右チャンネルをプロデュースしたのがDrolo fxです。
 
山小屋みたいな工房でたった一人で作っているそうで、生産数が少なくて入手がとにかく難しい。1~2か月に1度入荷がありますが1分以内に完売します。毎回戦争です。
現在は6機種がラインナップされていて、Stretch Weaverはその中で最も新しい機種です。
 
■Stretch Weaverの概要
Stretch Weaverは2チャンネルを備えたサイドチェインエフェクトです。
ざっくり説明すると、相手側の入力レベルに応じてこちら側にエフェクトがかかる、という仕組みです。
サイドチェイン自体はポピュラーな技法ですが、これをエフェクターにするという発想がすごい。というか、これをエフェクターと呼んでよいものか最早わかりません。
 
コントロール類は以下のような働きです。
上段のツマミは各OUTから出力する信号のドライとウェットの音量を調節します。
下段のleftとrightは、各チャンネルがもう一方のチャンネルに対してエフェクトをかけるトリガーとなる入力レベルのスレッショルドしきい値)を調整します。左回し切りでエフェクト無効、右に回すほど小さな入力レベルでエフェクトがかかるようになります。例えばrightのツマミを回すと、Rチャンネルに入力された信号レベルに応じてLチャンネルにエフェクトがかかります。
下段中央のctrlは選んだエフェクトに応じて効果が変わります。
 
エフェクトはstretch、weave、repeat、tape、pitch、glide、gateの8種類です。
どんなサウンドになるのか、言葉であれこれ説明するよりも、公式がアップしてる試奏を聞いてみてもらったほうが早いです。(丸投げですみません…でも本当に説明が難しいんです汗
2種類の信号がお互いに影響し合うことで、有機的・偶発的なフレーズが次々と生まれます。
 
グリッチ、グラニュラー、ランダムピッチ、テープエフェクト、リバース…というようなキーワードが響く方々には、とても相性が良いと思います。
 
 
■具体的な使い方(例)
具体的な使い方ですが、片方をリズムに繋ぐのが一番扱いやすいかもしれません。
例えばバンドで使うなら、Gateモードでドラムのキックにマイクをつなげて、ギターバッキングにスタッター風なリズムを加えるとか。
または、2つのギターをつなげて複雑なアルペジオを奏でるとか。
どんな効果が生まれるか試してみるまで想像ができないところが楽しいですね。
 
個人的には、卓上にエフェクターを置いて使うスタイルの人と相性が良いと思います。
ツマミやモードを積極的にいじって、サウンドの変化を楽しんでもらいたいです。
 
■ギターエフェクトととして使う場合
一般的なエフェクターのように、1入力だけでも使うことができます。
その場合、エフェクター内部で同じ信号をLとRに分けて互いに作用させることになります。
が、個人的には別々の信号を入力してこそ、このペダルの真価が発揮されると思いますので
正直なところ、ギター単体で使うなら同ブランドの"Molecular Diruptor"や"Stamme[n]"をおすすめします。
 
そもそも、weave以外のエフェクトは(名前は異なりますが)単体のエフェクトとして"Moleclar Disruptor"というペダルに入っていて、それらをサイドチェインで使えるようにしたのが"Stretch Weaver"だと私は理解しています。
 
また、このエフェクターは繋ぐだけで若干音量が下がるように感じます。
なのでスイッチャーなどのループに組み込んで使う場合、音量差が少し気になるかもしれません。
音質の変化はほとんど感じないので、直列で使う場合は問題ないかと思います。
 
■まとめ
以上、Stretch Weaverの紹介でした。
とにかく発想が新しすぎて、扱う側のセンスがものすごい問われるエフェクターだと思います。
他に似たエフェクターがないので使ってみるまで自分に合うか合わないか分からないかもしれません。
機会があればぜひ実機を試してみてください!