ma機材レビュー

忘備録を兼ねて実際に使った機材をレビューします

【レビュー】Harlot V3 / Kingsley Amplifiers

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こんにちは、maです。

今回は先日の機材会でとても好評だったペダルをご紹介します。

 

Kingsley Amplifiersの「Harlot V3」です。

 

■Kingsley Amplifiersとは

Kingsley Amplifiers(以下Kingsley)は、カナダにあるブティックアンプメーカー。

創設者のSimon Jarret氏はイギリス出身のプロギタリスト。商品紹介動画はだいたいJarret氏自身が出演していて、めちゃくちゃかっこいいフレーズを弾いてます。

 

ペダルにもたくさんのラインナップがあり、アンプ制作の技術が存分に詰め込まれた仕様になっています。例えば、ほとんどのモデルが真空管内臓であることが特徴のひとつです。プリアンプペダルやドライブペダルのみならず、トレモロペダルにも真空管を使った機構を採用しています。

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ひとつひとつ手間をかけて作っているためか、直販では約1年待ちの状態です。

ちなみに2021年初めにHarlotとPageを注文した際は7か月待ちでした。ウェイティングリストに加えてもらえば必ず手に入りますし、デポジットも必要ありません。もし既に気になっている方がいましたら早めに問い合わせておくことをお勧めします。

 

■Harlot V3の仕様

Harlot V3は真空管内臓のオーバードライブペダルです。

採用されている管はTUNG-SOL製の12AX7が1つ。もちろん任意のメーカーのものに交換することも可能です。また真空管をドライブさせるためにJFETのトランジスタを使用しています。

V2までオプションの外部スイッチによるブーストさせていたものを、ひとつの筐体に納めた仕様になっており、左スイッチでMoreの歪みがプラスされます。

Lows、Highsのトグルスイッチは真ん中がユニティ。左で各帯域がカットされ、右でブーストされます。

 

9V電池は使用できません。真空管を使用するため、必要な電流量は500mAとデジタルペダル並み。そのため9vアダプタが付属しています。(電流量が十分であればパワーサプライでも使用可)

また、通電している間はバイパスしていても真空管が温まっている状態になります。使わないときは必ず電源を落としておきましょう。

 

そして真空管内臓型ペダルが避けて通れないのがノイズ問題です。このHarlotに関しては、若干フロアノイズが乗るくらいで単体で使う分には全く気にならないです。

 

サウンド

真空管特有の太くウォームな歪みです。

Gain12時以降から一気に歪み量が増え、アウトプットレベルも上がります。まさに真空管アンプをドライブさせた時に近い飽和感で、ふくよか且つ滑らかなサウンドだと感じます。

Toneはハイエンドをカットするように効きます。このToneと前述のトグルスイッチを組み合わせてサウンドを調整していきます。これらの効き具合が絶妙でほとんどどの位置でも使えるサウンドになります。

ギターやアンプとの組み合わせによる違いを微調整するように使ってもよし。ローやハイを足して積極的な音作りをしてもよし。非常に使い勝手が良いです。

 

正直なところこれまで試したオーバードライブの中で一、二を争うベストペダルです。

もちろん方向性や個性の違いで他にも好きなペダルはたくさんありますが"アンプライク"というカテゴリではこれに勝るペダルはなかなかない気がします。